柚子湯

私は季節のイベントは出来る範囲でがっつりこなすことにしている。ということで,近所の銭湯は改装中だったものの,偶然見かけていい感じだったちょっと歩く銭湯へ。住宅街の一角にあるその銭湯は,ホントにその近くの人たちのためだけの場所のようで,皆知り合いっぽかった。入ってみると,シーツ用のでかい洗濯ネットにつめてあるだけじゃなくて,大量の柚子がむき出しでぷかぷか浮いている。湯船の脇にはすでにぐずぐずになった柚子を捨てたかごがあって,そっちもすでに山盛りになっていた。
やっぱり冬至は地元密着の銭湯に限る。昨年はスケベ心を出して銭湯より3倍くらい高いスーパー銭湯へ出かけたところ,湯は入浴剤で色が変っていて,ひろびろした湯舟にシャツを入れる程度の洗濯ネットがちんまり浮いていて,そこにすかすかの柚子が入っていてとても悲しくなった。確かにスーパー銭湯では大量に湯を循環させているので,柚子だけではまかなえないのかもしれないが,それでも入浴剤を入れるのはなしだと思うのだ。
ということでいい香りでまろやかな湯にのんびりつかって上機嫌で湯から上がったら湯あたりでぶっ倒れそうになる。この歳で「冬場の入浴事故」実践かよ,しかも健康のために冬至に柚子湯に入って!と思い,かがんで頭を拭いているふりをして,目の前が明るくなるのを待った。やっと心臓がばくばくするのがとまったのでコートを着て帰宅。今年も冬至を済ませられたことに感謝。