ETV特集「いいもんだよ、生きるって 〜夜回り先生・水谷修のメッセージ〜」(2)

図書館で「夜回り先生」を借りれたのでこれから読んでいこうと思うのだが,ビデオで見たETV特集について感想。
ドラマでは寺尾聰が水谷先生をやるそうだが,しゃべっているのを見ると三上博史を思わせる。内容に関係ないな…。さらに内容に触れずに続けると,「あぁ,会社でもこういう方っているな。」と思う。効率の良いやり方がないかとうじうじ悩んでいる暇があったらやらずにはいられない人。でも,無駄に人生すり減らしたいわけじゃなくて,ちゃんと目的があるから,そうやって走りながらも方法の改善や経験を積んでどんどん強くなって,でもやはり高い壁に挑み続けているから,まわりで見ていると心配になってしまう人。
ガンパレードマーチというTVゲームに芝村舞という登場人物がいて,
彼女の言葉を思い出す。

我らが、まだ幼かった時代。 まだ幼くて、人々のために涙する以外に知らなかった時代。 まだ我らが世界の記憶でしかなかった頃。 深紅の布を腕に巻いた、ヒーローがいた。 我らが、テンダーと呼ぶ男だ。 それはただの男だったが、剣を取った。 恋人が殺されたとか、妻が死んだとか、理由は色々言われたが、真実は違う。 ただ、人類の敵が気に入らなかっただけだ。 別に正義感が強かったわけではない。 だが、どうにも我慢できなかった。 ただ、弱者が死ぬのが我慢できなかった。 そして剣をとった。何度も負けたが、その度に立ち上がった。そして学んだ。 自分がなぜ、負けたかを。 そして、負けない為にはどうするかを考えた。 人に教わるのではなく、自分で考えた。 男には信念があった。自分が、最後だと。 自分の後ろには、他に民を守るは何もないと。 実際そうだったかどうか分からぬ。 だが、男は信じた。血を流し、戦うその中で。叫びながら、剣を握ってそう信じた。 言った言葉はただ一つ、弱者のために。 我らの祖先は彼を見て、ヒーローがなんであるかを学んだ。ヒーローは、血からも、魔法からも、科学からも生まれぬ。 ヒーローは、違う。 ヒーローは、ただの人間から生まれるのだ。 ヒーローは、ただの人間が、自分自身の力と意志で、血を吐きながら人を守る為に人でない何かに生まれ変わったものだ。

しかし,どうして逃げないのだろうと思ってしまう。何人も心を尽くした生徒がなくなって,それでもそこにとどまっていられるとは。また,毎日新聞の連載などでも,事態がますます悪くなっていることを書いておられる。身を捧げても,全体としては良くなっているとは言えない現状。なのに何故そこにいる強さをもっておられるのか。水谷先生はそこに生徒がいるからだといい,それはそうなのだが…。
子供たちからの電話やメールは膨大な数になり,体を壊しつつ夜回りを続けておられるという。それでも一人一人に真摯に向き合っておられ,そして子供たちへ向けたメッセージには,ユーモアをもった話し振りでシンナーなどの薬物や悪い誘いを断る方法を話しておられた。
長い番組だったので雑用をしつつ見てたのだが,何度もTVの前に引き戻され,正座して聞きたくなるエピソードがあった。本もじっくり読むつもりだ。