第1回

有吉作品にあこがれのある自分としては,「これが和歌山弁かぁあああ!」と感動です。「〜のし」とか「〜して頂かして」ってこういうふうなんかぁ。嫁入りのシーンでの紀の川も美っついのう…。
6回あるからか,省略するエピソードはなく描かれていくようで,その描き方も原作をていねいに映像化し,大事にしていることを感じられてうれしい。
夫の席に医学書が飾られるのみの婚礼の奇妙さの一方で,直道の自慢話や弟の素直な花嫁姿への憧れなど暖かさも感じさせ,初々しくはつらつと新しい生活に馴染んでいく新妻の姿が描かれている。私は加恵は田畑智子がよいのではないかと思っていたが,和久井映見もちゃんと初々しさが出ているなぁ。
そして映像化で何より良かったのが手術シーンだ。麻酔がないからこそ,血みどろの惨劇になっているわけで,そしてだからこそ,武家の娘が嫁として必要だというコトもよくわかる。にしてもぶん殴って失神したとこをざっくりですよ……すげー……。
欲を言えば,加恵のお継への憧れはもっと熱く描写しても良かったかと思う。ぬか袋の描写などあったけど,嫁に入ったのは雲平のためではなくお継に惚れぬいたからで,そこはもっと描いても良かったんじゃないかと思った。姑と嫁のむつまじいシーンももっとあってもよかったかなぁ。もう雲平が戻ってお継と対立しちゃうんですね…。