comic

「パイド・パイパー」山岸凉子

短編集。怖かったり重かったりいろいろありますが,表題作が抜きん出ていると思う。 夫の転勤で2人の子供と共にM市に越してきた道子。M市は道子が子供のころに,妹の藤子を幼女連続誘拐事件で喪った場所だった。犯人とされた男はすでに死んでいたが,夫の…

「リアル」4巻(井上雄彦)

この漫画を買い始めたのは朝日新聞のサイトのコラムからだった。柾と野宮のエピソードを紹介していて,それで買おうと思った。 ここに描かれるそれぞれ性格も状況も違う登場人物たちのそれぞれの悲劇が,全く違った形で救われていくのを見ると,生きてるって…

「夕凪の街 桜の国」こうの史代

下のほうはネタバレです。 私が子供で,まだ自分で本が買えないころ家にあった本は日本文学全集と,父が買ってきてくれたいろんな人の伝記であった。その中に珍しくドキュメンタリーの本があった。「原爆体験記」というタイトルだったように思う。最初の方に…

「神隠し」山岸凉子

この短編集に入っている「負の暗示」が津山30人殺しをモデルにしたフィクションで,事件を元にした作品では最も良い解釈をした作品と思っている。 一般的に「負の暗示」というと,「次もダメかも…」という気弱モードで何度も失敗することを言うのではないか…