第5回

青洲はついに於継に薬の違いを言ってしまう。それに激しいショックを受ける於継。小陸に連れ去られるときに於継の白足袋を履いた足と小陸のはだしの足を同時に映す対比がうまい。
於継を気遣う加恵は,光を失っていた。痛みがあっても失明まではしていないと思っていた青洲は強く悲しむ。こまめに加恵を気遣う青洲に於継は「一家のあるじがやることではない」というが,青洲はやらねば気が済まない。
そうはいっても,急患が来ればそちらを優先することとなり,加恵は於継に連れられて小弁の墓参りに。かつて於継が加恵を望んだときの言葉を語り感謝する加恵。そんな加恵に於継は「跡継ぎを産んだことだけは自分の勝ち」と。怖ろしいようだが,「だけ」というのが哀しくもある。
於継が病で床に臥してから見えぬ眼ながらも背中をマッサージするなどで触れ合う機会が増えた於継と加恵。「好いてくれてありがたい」と言いつつ,雲平だけが全てだったという於継。うわ,なんと重いことを…。
いよいよ朽ちていく於継と,新しい生命を宿す加恵。40歳にもなってというが,青洲の気持ちもわかるなぁ…あそこまで尽くす加恵は愛しいよなぁ。
出産の加恵と亡くなっていく於継。医術の心得ある弟子はいくらでもいるんだから誰か置いてったげてと思ったけど,田中好子,好演。役者さんもそれぞれ素晴らしいなぁ。於継の死は娘たちの死を考えると幸せなものだったよな。
米次郎は小陸に拒絶され,それでも明るく「於継と加恵がお互いを思いやってて素晴らしい家庭だ」と言って去っていく。純粋すぎはいいこととも限らんなぁ……。
有吉佐和子の台詞一つ一つにシビレている。そのままの台詞まわしがちゃんと現代のドラマとして通用していることに感動していて,書店にもっと有吉作品がならんでくれると良いなぁと願う。
もちろん,オリジナル?の部分も素晴らしいし,それを映像化するスタッフや役者さんも見事である。あぁ,「紀ノ川」やっぱりやってほしいなぁ。可能ならば月曜枠あたりだろうか。いっそ朝ドラでやるというのは?
青洲に戻れば次回の予告も「うわーまだコレがあるんでしたっ!」と震えがくるようでした。でももう最終回なのかぁ。