カラマーゾフの兄弟

反逆などで生きていかれるかい,俺は生きていたいんだぜ。ひとつお前自身,率直に言ってみてくれ,お前を名ざしてきくんだから,ちゃんと答えてくれよ。かりにお前自身,究極においては人々を幸福にし,最後には人々に平和と安らぎを与える目的で,人類の運命という建物を作ると仮定してごらん,ただそのためにはどうしても必然的に,せいぜいたった一人かそこらのちっぽけな存在を,たとえば例の小さな拳で胸をたたいて泣いた子供を苦しめなければならない,そしてその子の償われぬ涙の上に建物の土台を据えねばならないとしたら,お前はそういう条件で建築家になることを承知するだろうか,答えてくれ,嘘をつかずに!